マーケティングをしているが、なかなか上手くいかない、結果に結びつかない。そう感じることはありませんか?もしかしたら、その原因はマーケティングリサーチにあるのかもしれません。
この記事ではマーケティングリサーチの基本概念を解説しています。マーケティングリサーチの必要性を認識していただき、その後に具体的な手法や手順を紹介していきます。
マーケティングを実効性のあるものにするためにマーケティングリサーチは欠かせません。マーケティングリサーチについて学び、マーケティングを成功させましょう。
Contents
マーケティングリサーチの概要
マーケティングリサーチとは
マーケティングリサーチは、マーケティング活動の一環として行われるものです。マーケティング活動において、より効果的な意思決定を行うために必要な情報を集めて分析します。何を調査するかは、着目した課題、解決したい課題に合うように決めます。例えば、調査内容には自社の知名度や顧客満足度などがあります。
また、「サーチ」は検索エンジンなどで「調べる」だけの作業であるのに対し、「リサーチ」は頭を使って「調査、探究」することを指します。つまり、調べただけで終わりなのではなく、その原因や背景まで追い求めることで初めて「リサーチ」と言えます。
マーケティングリサーチと市場調査の違い
マーケティングリサーチと市場調査は同義として使われることもありますが、正確には違う意味を持ちます。マーケティングは未来の予想をすることを指すのに対し、市場調査は過去や現在の調査をすることを指します。
マーケティングリサーチはなぜ必要か
マーケティングリサーチは多くの企業に取り入れられています。マーケティングの必要性やメリットはどこにあるのでしょうか。
- リスク回避に役立つ
マーケティングリサーチは未来を予想するものです。そのため、マーケティングリサーチを行うことであらかじめリスクを回避することができます。
- 最適最短でゴールへ辿り着ける
マーケティングリサーチによって、目標に最短でたどり着くための最適な過程を見つけ出すことができます。コストや労力を無駄に費やすことなく、顧客から求められているものに近づくことができます。
- 商品、サービスの質の向上
マーケティングリサーチでは、消費者の生の声を聞いて進めていきます。その消費者の意見を元に商品やサービスを改良し作り上げていくため、実際に求められているものを作ることができます。商品やサービスの質が高まり、顧客側にもメリットがあります。
マーケティングリサーチの成功事例
株式会社エフエム大阪でマーケティングリサーチを導入した事例です。
今後50年の方向性を4つ考えて、それらが適切か検証することになりました。そこで活用したのがマーケティングリサーチです。Web調査とグループインタビューの2つの手法で行いました。
Web調査ではFM放送に対するニーズを探り、グループインタビューではリスナーに直接話を聞きました。その過程で、FM放送聴取に対する想定外のニーズを発見できました。結果的に、最初に立てた4つの仮説のうち3つの仮説はあっており、1つは検証中です。(参考:NEO MARKETING https://neo-m.jp/work/10/)
マーケティングリサーチによって、自社内では想定していなかったニーズを発見できた事例です。自社を一番理解しているのは自分たちであると思いきや、社外から自社に関わっている人たちの意見によって自社の魅力を再発見できることもあるようです。自社内で仮説検証を終わらせてしまっては新たな発想は生まれにくいようです。
また、どうしても自分たちが欲しい結果につながるよう検証してしまいがちになります。そのため、顧客などの外部の人を巻き込んでのマーケティングリサーチが重要となってくるのです。
マーケティングリサーチの手法
マーケティングリサーチをするときは、最初に定量調査にするか定性調査にするかを決めます。どちらの調査が適しているか決めた後、さらに細かい手法を決めていきます。
定量調査か定性調査か
定量調査
定量調査とは、結果が数値として表現できるもののことを指します。数値として表現できるため、全体的な傾向を掴めます。
定量調査では、サンプルの設定が重要になってきます。サンプル量もサンプルの質も両方大切な要素です。サンプル量が多いほど正確な数値に近づきます。サンプルの質は、対象者の設定にかかっています。対象者の設定を間違えると、的外れな結果になってしまいます。
定性調査
定性調査とは、結果が数値として表現できないもののことを指します。自社にどのようなイメージがあるか、なぜ自社のサービスを使っているか、など数値では表せない回答を得られます。
インタビューなどを行うためコストや労力がかかり、サンプル数は少なくなる傾向があります。そのため、信頼性は定量調査と比べて劣ります。
定量調査の手法
- インターネット調査
短期間で大量のサンプルを確保することができます。回答の集計に労力がかかりにくい上、コストもあまり必要ありません。インターネットが普及している現代では最も一般的な手法となっています。
ただ、高齢者はインターネット使用率が低く、サンプルとしたい層によっては向いていないこともあります。
- 訪問調査
自宅に直接訪問してアンケートをする手法です。商品やサービスを体験してもらった上での回答を得られるため、精度の良い回答が得られます。また、気になる回答をその場で深掘りすることもできます。
一方で、調査に労力や時間がかかり、商品を使ってもらう場合はさらにコストもかかります。
- 会場調査
対象者を会場に集め、一斉にアンケートをする手法です。一度に大量のサンプルを確保できるため、効率よく回答を回収できます。商品やサービスを試してもらった上での回答が得られるため、精度のよい回答が得られます。また、深掘りしたい対象者には深掘りすることができます。
一方、大会場の確保や試してもらう商品やサービスの用意にはコストがかかります。
- 郵送調査
アンケートを郵送し、回答してもらった上で返送してもらう手法です。多くの場合はより手軽なインターネット調査によって代替できるため、現在ではあまり使われなくなりました。ただ、高齢者などインターネットを使う割合が低い世代に対しては今も有効な手法です。
一方、若い世代には答えてもらいにくい傾向があります。
- ホームユーステスト
自宅に商品やサービスを郵送して、一定期間つかってもらった上でアンケートに回答してもらう手法です。一定期間使用を続けてもらうことでかなり精度の高い、正確な回答を得ることができます。
一方、商品やサービスを一定期間継続的に使用してもらうため、それ相応のコストがかかります。
定性調査の手法
- デプスインタビュー
一対一でインタビューを行い、時間をかけて深掘りしていく手法です。一対一で行うことにより、他の回答者に聞かれたくない内容も答えてもらいやすくなります。一人一人に時間をかけられるため、より詳細な質問をすることができます。その分、労力や時間がかかります。
- グループインタビュー
一対多で話し合いやインタビューをし、回答を得る手法です。他の回答者の回答を聞くことでより洗練された回答を得ることができます。一人一人を深掘りしづらく、他の回答者の前で答えにくいことはあまり質問できません。こちらの方法も、労力や時間がかかります。
マーケティングリサーチの流れ
マーケティングリサーチの方法を違えば、得られる結果が意味のないものになってしまいかねません。そのため、マーケティングリサーチの流れをしっかりおさえることが大切です。
- 課題を明確にする
まずは、自分たちが解決したいマーケティング課題を明確にしましょう。課題を具体的に設定することで、後々の調査計画がたてやすくなります。
- 調査計画をたてる
次に、調査計画を立てていきます。決める項目には、調査手法、対象者、期間などがあります。ここは思った以上に詳細に決める必要があります。例えば、対象者を「自社の製品を使用している人」と設定しただけでは正確性が足りません。使用した回数や期間によっても、もらえる回答は異なってくるでしょう。
このように調査計画を詳細に設定するのには理由があります。調査計画を誤ると、その回答や分析結果が意味のないもの、参考にできないものになる可能性があるのです。このあとの工程を無駄にしないためにも、調査計画は念入りにたてましょう。
- 調査票の作成と実行
次に、調査票を作成し、対象者に回答してもらいます。調査票を作る際にいくつかポイントがあります。まず注意すべきは、回答のしやすさです。複雑な質問ではアンケートの回収率が悪くなります。また、質問内容がわかりにくいと回答が意味のないものになってしまいます。
もう一つ注意すべきは、質問の配置です。質問項目にバイアスがかかるようなものがあると、回答に影響が出てしまいます。例えば、最初の質問が「自社製品のどのような点が気に入っていますか」というものだと、自社製品をあまり気に入っていない人からの回答は得られにくくなってしまいます。その結果、回答者に偏りが生じ、正確な回答分析ができなくなります。
- 回答の分析
次に、得られた回答を分析します。分析を正しい方法でできていないと、マーケティングの意思決定に悪影響を及ぼす恐れがあるため、分析も慎重に正確に行う必要があります。具体的な手法はいくつかありますが、代表的な手法に3C分析というものがあります。3C分析についてはあとで詳しく解説します。
- マーケティングの意思決定
そもそも、マーケティングリサーチはマーケティングの意思決定のためにするものでした。そのため、最後はマーケティングの意思決定を行います。データの分析をした上で意思決定をします。
マーケティングリサーチだけでは足りない?3C分析について
先ほどの「回答の分析方法」で少し触れた3C分析について解説します。3C分析とはCustomer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つのCを分析することをいいます。
1つ目のCustomer(顧客)を分析することで、顧客のニーズや、業界全体の市場価値を把握することができます。2つ目のCompetitor(競合)を分析することで、競合の立ち位置や現状、今後想定される競合の動向を把握できます。3つ目のCompany(自社)を分析することで、自社の立ち位置や現状、強みや弱みを把握することができます。
つまり、マーケティングリサーチとはあくまで3C分析の中の一つ、Customer(顧客)を分析しているにしかすぎないのです。もちろん、マーケティングリサーチだけでも意味がないとは言えません。しかし、Competitor(競合)、Company(自社)の分析をした方がより高い目標に届くことは想像できるでしょう。
競合を分析してその動向を知り、顧客を分析してそのニーズを把握した上で、自社を分析して自社の強みを反映させることができるからです。ここで難しいのは自社の分析です。自社で調査計画を立てて分析しても、どうしても求める答えに吸い寄せられてしまい、正確な分析ができないことがあるからです。
そのため、特に慣れないうちは外部に介入してもらった方が正確な分析をすることができます。
弊社における3Cリサーチ&施策立案プラン
まずは、御社の現状をMTGにて丁寧に把握していきます。その上で、競合と比べた場合の御社の立ち位置を分析いたします。そこに競合や顧客の分析結果を踏まえ、御社に最適な施策を提案いたします。
現状を正確に把握することで、目標に向かう最適な筋道をお示しいたします。ノウハウ不足や人材不足により、施策の実施が難しい場合は弊社にてそのまま実働が可能です。
競合の情報、さらに自社の強みを踏まえた上で目標に向かって進みたい方はこちらの記事もぜひご覧ください。具体事例が乗っておりますので、参考にしていただけると思います。
マーケティングリサーチを導入して最短で確実に目標へたどり着く
マーケティングリサーチは確かに難しいものです。サンプルの設定、分析の方法、どれをとっても複雑だと感じてしまうかもしれません。
しかし、マーケティングを適切に進めていく上で避けては通れないものなのです。リサーチの方法を誤ればマーケティング目標からかけ離れたところにたどり着いてしまうことさえあります。そのため、マーケティングリサーチは慎重に、そして正確に行わなければなりません。
一方、マーケティングリサーチを適切に行えば、マーケティングの効果を大きくあげることができます。適切なマーケティングリサーチをし、より短期間で確実に目標に到達しましょう。