広告の概要を解説|種類や仕組み、トリプルメディアとは?

現代では、広告と日常生活は密接に結びついています。街を歩けば広告が目に入り、スマホをいじっても広告が目に入ります。これらの広告をきっかけに何か行動を起こすこともあるでしょう。職業によっては広告を打つ側になることもあります。

実は日本の総広告費は年間7兆円を超えており、これからも増えていくと予想されています。しかし、広告の重要性をイマイチ感じられていない人もいるのではないでしょうか。この記事では広告の仕組みや種類、重要性について解説していきます。

広告の基礎知識

広告とは

広告は、広告主と不特定多数の人との間で、広告媒体を通して行われるコミュニケーションの一つです。ほとんどの広告は有料であり、一方通行でのコミュニケーションとなっています。広告の目的は、広告を通じて自社の商品やサービスの存在を認識してもらい、購入や登録など特定の行動をとってもらうことにあります。

広告の種類と変遷

広告の概要を解説|種類や仕組み、トリプルメディアとは?_広告の種類と変遷

広告の種類

広告の種類は大きくマス広告とデジタル広告に分けられます。マス広告はさらにテレビCM、ラジオCM、新聞広告、雑誌広告の4つに分けられます。

マス広告(4大メディア)

マス広告は別名4大メディアとも言われており、テレビCM、ラジオCM、新聞広告、雑誌広告の4つを指します。大衆(マス)に向けて発信するものであるため、マス広告と呼ばれています。大きな特徴としては、認知度の上昇に大きく貢献することが上げられます。

その一方、広告費が高い、広告の修正が難しい、ターゲットを設定しにくい、効果測定が難しいなどの特徴も併せ持つため、広告を初めて出す企業にはハードルが高いものとなっています。総広告費はこの10年間、横ばいが続いています。

  • テレビCM

現在、テレビの普及率は90%を超えています。そのため、マス広告の中では最も認知度上昇が期待できる広告となっています。また、動画を使った広告を打てるため、印象に残りやすくなります。一方、広告費用はマス広告の中でも最も高くつくことが多いです。

  • ラジオCM

ラジオCMは、親近感を感じてもらいやすい広告です。別の作業をしながらラジオを聴く人が多いため、広告が邪魔に感じられにくくなります。また、ラジオリスナーには、同じ番組を毎週聞くことを習慣にしている人が多くいます。そのため、同じ番組に広告を出し続けることで、同じ人に繰り返し広告を打つことができます。

  • 新聞広告

新聞広告は信頼性が高い広告です。ただ、最近では新聞の購読率が低下してきており、特に若い世代には馴染みが薄いものとなってきつつあります。

  • 雑誌広告

ターゲット層を絞りにくいマス広告ですが、雑誌広告は比較的ターゲティングがしやすいものとなっています。また、雑誌はしばらく保存されて何度も繰り返し読まれる傾向があるため、一定期間何度も目に触れる機会があります。

デジタル広告

デジタル広告はインターネットで発信する広告全般を指します。インターネットの普及率が高まるにつれ、デジタル広告も注目を浴びるようになりました。

デジタル広告は効果測定しやすく、比較的安価でも広告を打つことができます。そのため、初めて広告を打つならマス広告よりもデジタル広告のほうが良いでしょう。デジタル広告の総広告費はこの10年で3倍に増えており、これからも増え続けると予想されています。

広告の歴史と変遷

ラジオ広告は1951年、テレビ広告は1953年に始まりました。ラジオ、テレビの普及につれてそれぞれの広告市場は爆発的に増加しました。2000年ごろからインターネットが普及しはじめ、デジタル広告も徐々に浸透し始めていきました。マス広告の広告市場が横ばい状態なのに対し、デジタル広告市場は急激な成長を遂げていきました。

そして2021年にデジタル広告費がマス広告費を追い抜き、その差は今後も広がっていくと予想されています。現在は日本の広告費は7兆円を超えていますが、その約半分をインターネット広告が占めています。

広告を打つメリット

広告の概要を解説|種類や仕組み、トリプルメディアとは?_広告を打つメリット

広告主側と顧客側の両者にとって広告を打つメリットがあります。

広告主側のメリット

  • 認知が拡大する

広告を打って自社の商品やサービスの認知を拡大させることができます。広告を見てもらう人数を重視するか、ターゲティングをした上で自社に興味を持ってもらえそうな人に対象を絞るかで、認知拡大度は違ってきます。どちらの方法にもメリットデメリットがあり、広告のリーチ人数が多ければそれで良いというものではありません。

  • ブランド力が上昇する

広告を打つだけの余裕があるということは、それだけ儲かっているのだろうと予想されます。そのため、信頼度、ブランド力をあげることができます。

  • 競合を引き離せる

顧客が異なる企業の出している競合商品からどれを選ぶか迷っているときに広告は有効に働きます。名前を聞いたことがある企業の出す商品の方が信頼できると感じるため、自社製品を選んでもらいやすくなります。その結果、競合を引き離すことができます。

  • 顧客流出を防止できる

世の中には同じような性質をもった商品が多く存在します。顧客にとってはその分だけ選択の余地が増え、目移りしやすくなります。顧客流出を防止することにも広告は役立ちます。広告を定期的に更新しながら打つことで、顧客は商品の改善点や最新情報をアップデートし続けることができます。その結果、自社の製品を選び続けてもらいやすくなります。

  • 高い費用対効果がある

打つ広告の種類にもよりますが、かなりの広告費がかかることがあります。それでも広告を正しい方法で正しい費用対効果を高く保ち続けることができます。ターゲティングをして見込み顧客にだけ広告を打つことで広告費を抑えたり、相手が知りたいであろう情報を網羅したりするなど、費用対効果は様々な方法で高めることができます。

顧客側のメリット

  • 正しい情報を入手できる

SNSによる口コミやブロガーによる商品紹介とは異なり、商品を出している企業による正確な情報を入手することができます。また、広告が常にアップデートされることで、最新の情報や改善点を知ることができます。

  • 製品の比較が容易になる

広告には顧客が知りたいであろう情報が記載されています。そのため、広告同士を比べるだけで簡単に製品の比較ができます。広告は印象づけに重点を置き、読み込まれることを想定していないものが多いので、比較に時間もかかりません。

  • 高品質のものが手に入る

広告を打つことで企業はより売り上げを伸ばすことができます。広告を打って商品に人気が出ると、改良に積極的になったり安価な価格設定になったりします。その結果、高品質のものを安価で手に入れることができます。

広告の作り方

広告の概要を解説|種類や仕組み、トリプルメディアとは?_広告の作り方

広告を作る際に重要な「5M」

広告を作る際には「5M」を意識して作ります。5Mとは、目的(Mission)、予算(Money)、メッセージ(Message)、媒体(Media)、評価 (Measurement)の5つの頭文字をとったものです。

  • 目的(Mission)

まず、広告の目的を設定します。例えば、広告を打つ相手の状態によって広告の目的は変わってきます。商品の存在自体知らない段階、商品の存在は知っているが具体的な良さは知らない段階、他社と比較してどの商品を購入するか迷っている段階などが考えられます。相手の状態に相応しい、情報提供、アピール、購入などの広告の目的を設定します。

  • 予算(Money)

次に予算を設定します。予算を決める際、自社製品の代替性や競合の状態を考慮する必要があります。代替性が高いものであれば、顧客にとってはそれだけ選択肢が多いということになります。

たくさんの選択肢の中から自社を選んでもらうためには広告にそれなりの予算をかける必要があります。また、競合も広告を出しているなら、最低限それと同レベルの広告を作る必要があります。自社の事情だけでなく、社外の状態も鑑みて予算を設定しましょう。

設定した予算によって作成できる広告や使用する媒体は異なってきます。例えばテレビ広告であれば掲載費の他に広告の作成費も多額なものになります。一方、デジタル広告であれば比較的安価で始められる上、広告の作成費も抑えることができます。

  • メッセージ(Message)

具体的な広告案を考えていきます。盛り込みたい情報、デザインを設定します。情報を盛り込みすぎると相手に伝わりにくくなってしまうので、欲張らないことも大切です。

また、自社のイメージカラーがあるならばそれに沿ったビジュアルにする方が統一感がでます。案ができた後には、誇大広告となっていないか検討することが必要です。

  • 媒体(Media)

次に広告を出す媒体を選びます。広告の種類によって必要となる費用は大きく異なってきます。また、ターゲティングしやすいか、効果測定ができるかも検討しましょう。効果測定は次の広告を作成する際に大きな助けとなります。費用対効果を考えて相応しい媒体を選定しましょう。

  • 評価 (Measurement)

広告は出して終わりではありません。次の広告をより効果的なものにするために今回出した広告の評価を行います。具体的には、広告の効果測定を行います。広告からホームページに飛んできた人数、購入にまで至った割合など、分析すべき点は多岐に渡ります。

トリプルメディア|マーケティングの考え方

広告の概要を解説|種類や仕組み、トリプルメディアとは?_トリプルメディア

トリプルメディアは、オウンドメディア(Owned Media)、アーンドメディア(Earned Media)、ペイドメディア(Paid Media)の3つの総称です。マーケティングを行う際に、企業と消費者の接点となる媒体は大きくこの3つに分けられます。マーケティングの目的に合わせてこれら3つを使い分けることで、広告がより効果的なものになります。

  • オウンドメディア(Owned Media)

ホームページなど、自社で所有しているメディアのことを指します。情報発信を目的として使います。詳しい情報が記載できる、大きな制限なく自由に広告を作成できるなどのメリットがあります。

  • ペイドメディア(Paid Media)

マス広告やデジタル広告など、お金を払う必要のあるメディアのことを指します。集客を目的として使います。認知拡大に大きく貢献します。

  • アーンドメディア(Earned Media)

第三者によるSNSでの投稿や口コミなど、無料で獲得できたメディアのことを指します。情報を拡散することが目的となります。投稿者と企業の間に金銭のやりとりがないため、実際の使用者の忖度のない感想を届けられます。拡散力があり、共感を得られやすいメディアである一方、自身でコントロールできないものでもあります。

自社内に広告掲載のノウハウがない場合

広告の概要を解説|種類や仕組み、トリプルメディアとは?_理想的な広告代行

広告運用には様々な注意点があり、自社での運用経験がない場合は効果的な広告を打てない事例が多々あります。また、新たに広告運用に人員を割くと既に遂行中の業務に皺寄せがいってしまいます。

広告代理店に頼むことも一つの手ですが、必ずしも満足いく結果が得られるわけではないのに費用が高くつく傾向にあります。他にもコンサルティングを受けて運用する方法もありますが、現場の状況を把握してもらえないままコンサルティングが進められていくことがあります。

その結果、提示された方法は一般論の域を出ず、実効性の乏しいものにしかなりません。では、理想的な広告運用とはどのようなものなのでしょうか。

理想的な広告運用

インハウス型 

インハウス型の広告運用では、代行先と社員とのつながりが強固なものとなります。そのため、自社の現場をしっかりと認識した上で稼働してもらうことができます。

さらに、接点や会話量がしっかりと担保されるため、PDCAを高速で大量に回していくことができます。その結果、成果へと着実に繋げていくことができます。

 ナレッジ共有、リスキリングの実施

 代理店に一任していては、自社の社員で広告運用ができる人材は育ちません。そのため、ナレッジを共有し、さらにリスキリングも行ってくれる提携先が望ましいです。その過程で吸収したノウハウを活かし、将来的に自社で広告運用を回せるようになります。

弊社における広告代行

弊社ではナレッジ共有やリスキリングを行いながらのインハウス型の広告代行を行なっております。インハウス型の運用広告を行うことで、各クライアントの実情に適したご提案をいたします。その結果、実効性のあるご提案をすることできますので、着実に成果につながっていくことが期待できます。

また、弊社がこれまでに積み上げてきたナレッジの共有、およびリスキリングを実行していく過程で、クライアント先の社員にも広告運用のノウハウが蓄積されていきます。インハウス型の広告代行にご興味がある方、広告のノウハウを吸収したい方はこちらの記事もぜひご一読ください。 

広告を打つことのメリットは莫大

広告の概要を解説|種類や仕組み、トリプルメディアとは?_広告によるメリットの享受

ここまで見てきたように、広告にはさまざまな種類があり、それぞれにメリットデメリットがあります。自社に最も相応しい種類の広告を選び、新規顧客を獲得していきましょう。

ただし、闇雲に広告を出すだけでは広告費の無駄遣いとなるどころか、印象の悪化につながることさえあります。一度定着した悪印象を消すことはとても難しいものです。しっかりと戦略を練って効果的な広告運用をしましょう。

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