【マーケティングを強化したい企業向け】マーケティングコンサルについて解説

マーケティングというと、一般に企業の販売・広報活動というイメージが強いだろう。しかし、本来、マーケティングが対象とするのはより広範囲であり、潜在ニーズの把握やそれを取り入れた新商品開発、事業の廃止・継続・新規立ち上げの判断といった事業戦略など、企業経営戦略における根幹である。

とはいえ、ことに中小企業など、営業職が販売促進活動としてマーケティング業務を担い、専門部署を持たない企業も多いだろう。そんな企業でも、戦略的なマーケティングは、実は可能だ。

その答えは、外部のプロ人材、すなわちマーケティングコンサルタントの活用である。

ここでは、自社に専門部署はないがマーケティングを強化したいという企業経営者向けに、マーケティングコンサルの業務と選び方について解説する。

マーケティングコンサルの業務内容〜戦略から運用まで支援するプロ〜

●具体的に何をしてくれるのか

マーケティングコンサルとは、クライアント企業に入り、マーケティング業務全般を支援・伴走してくれるスペシャリストである。下記のような上流業務から下流業務までを、クライアントのニーズに合わせて提案、遂行支援してくれる。

上流業務

  • 市場や顧客の認知度、利用実態、ニーズを把握するための市場調査
  • 顧客をタイプ別に分類するセグメンテーション
  • ターゲット顧客を明確化するペルソナ設定
  • マーケティング戦略立案

下流業務

  • データを活用した販売戦略
  • 営業改善・広報など

自社にマーケティング部署、人材リソースがなくとも、こうしたコンサルを活用すれば戦略的マーケティングを行うことは十分可能なのだ。

コンサルの相場は? マーケティングコンサルの費用感・料金体系について

コンサル報酬は時間単位が基本:相場は月50万円〜

マーケティングコンサルを依頼するとして、費用はどの程度みたらよいだろうか。もちろん、対応範囲と業務内容によって大きく異なるが、費用をあまりかけたくなければ、対応事項の提案やディレクション業務をコンサルに任せ、自社の社員も投入することでコストを抑えることができる。

実は、社員を1人採用するくらいの費用から、プロを活用することが可能なのだ。

費用計算例(費用を最低限にしたい場合)

最低限のコンサル投入でマーケティングの課題把握に取り組むと想定して、コンサル費用を計算してみよう。

多くの場合、コンサルは、シニアコンサルタントが提案〜クライアント側マネジメントとの意思疎通〜具体的な業務ディレクションを行い、ジュニアレベルのコンサルタント1、2名が作業を行う。
費用は以下の通り、おおよそ50万円/月〜となる。さらにアプリケーションの導入を行ったり、販売促進、広告費用などをかける場合は、上記に費用が追加されるイメージである。

  • シニアコンサルタント:週2時間(時間あたり2万円〜)→月16万円〜
  • ジュニアコンサルタント:週8時間(時間あたり1万円〜)→月32万円〜

マーケティングコンサル会社によくある課題

コンサルと言っても玉石混交。大きな課題を解説

ここではコンサル会社によく見られる2つの課題について説明する。

パターン1)大枠の方針定義だけで、クライアント企業の運用まではタッチしない「非並走型」

これは大手コンサルに特に多いケースで、以下のような課題がある。

  • 言うことはごもっともではあるが、膨大なデータ、レポートを出して終わり
  • 現場への介在がないため、社内にマーケティングのノウハウが蓄積されない
  • 愚直なPDCAが弱く現場への落とし込みが十分なされていないため、プロジェクトが終了してしまうと自社で継続的にマーケティングの運営・向上が図れない

こうしたパターンを避けるために:

コンサル依頼前に、そのコンサルがどこまで現場に介在してくれるか、施策立案に止まらず実行、PDCAフェーズまで並走してくれるかといった点を確認したい

パターン2)目の前の業務範疇しか頭にない「虫の目型」

  • マーケティングプランが目先の業務範疇しか考慮されておらず、売り上げアップやニーズ開拓など企業の目指す目的まで考慮していない
  • 提案するプランが企業目的からの逆算で考えられておらず、マーケティングコンサルは導入したものの、効果の有無がわからない

こうしたパターンを避けるために:

コンサル依頼時に、そのコンサルがこれまで扱った案件でのクライアント企業からの評価やプロジェクトの定性、定量効果などについて聞いてみると良い

サービスの見極めをしっかりと

企業の課題・目的にあった大枠の方針定義がしっかりでき、その上で現場への落とし込みもしっかりできる、双方揃ったコンサルはなかなかいないのが現実である。名の通った大手のコンサルであっても、どちらかのパターンに偏ったサービスを提供する会社は多い。

依頼の際には、相手のコンサルをしっかり見極める必要があるだろう。

主なマーケティングコンサル一覧 〜大手から独立系まで〜

マーケティングコンサルの種類

マーケティングコンサル会社にもいろいろある。ここでは大まかなカテゴリ別に、その特徴を説明する。

戦略系、総合コンサル:ボストン・コンサルティング、アクセンチュアなど

経営トップに対する経営課題解決手段のひとつとしてマーケティングのアドバイスも行なうため、専門ではない。DXにはデジタル専門チームを設けて対応

市場調査・ブランド・広告系コンサル:マクロミル、アスマーク、CIA、博報堂コンサルティング、電通コンサルティング、共同PRなど

市場調査とそこから得られるインサイトを活用したブランディングの提案に強み。広告会社の子会社系も多く広告宣伝に強い。

IT系コンサル:日本アイ・ビー・エム、SCSK、トランスコスモスなど

デジタルマーケティングに強み。システム開発、アウトソース、ウェブマーケティングなどを中心としたコンサルを展開。

アウトソーシング、並走PM型コンサル:Experience Creativeなど

小規模精鋭型。人的リソースが足りない企業にPMとして入り、戦略立案から運用支援までを併走するコンサル。

良いコンサルの選び方 〜戦略立案だけでなく運用まで支援可能か〜

コンサル選びで失敗しないために、ここでは良いコンサルの行動、特性を説明する。

良いマーケティングコンサルは運用まで実施してくれるため、お題目で終わらない

マーケティングコンサルに依頼し、顧客ニーズ把握のために膨大なコストをかけたものの、何百ページもの調査レポートを受け取って終わってしまった、というケースはよくある。

大規模なレポートを貰っても、それをどう活用したらよいかわからないのでは、無駄である。そのコンサルがどんな実提案をしてくれるかを吟味するべきである。

企業目的に対する「手段」として施策があることを理解している

目の前のことしか見えていない「虫の目」提案になっていないか。コンサルには、対極から物事をみる「鳥の目」、ビジネス環境の流れを読む「魚の目」が必要である。

企業の課題を対極から捉え、その課題解決のための手段を提案できるコンサルであるかを見極めよう。

結果にコミットし、効果測定からPDCAへの運用、その後の改善まで並走してくれる

特に中小企業経営者に重視して欲しいのは、実際に自社で使える知見を提供し、運用まで併走してくれるかという点である。

良いマーケティングコンサルは、自社でその後も運用できるところまで落とし込みを行う他、施策の効果測定、更なる改善とPDCAが回せるところまでのアシストが可能であり、依頼側もマーケティングが良い方向に循環してゆくことを実感できる。

PDCAの具体策まで取り扱っていないコンサルは、案外にも多いものだ。

御用聞きにならず、課題は課題としてしっかりと進言してくれる

案件継続や政治的配慮から、あえて御用聞きに徹ししてしまうコンサルは多い。第三者目線でのあるべき論と、客観的な根拠を提示できることがコンサルを入れるメリットでもある。

コンサル依頼時には、課題は課題としてしっかり進言してくれるか、そのスタンスも見るべきだろう。ただし、発注側にも、進言された課題を自社の課題として真摯に受け入れるスタンスと度量が求められる。

まとめ

マーケティングコンサルの業務内容、選び方などについて説明した。自社のマーケティング強化に繋げるための参考にしていただきたい。

Experience Creativeについて

顧客体験の向上に強みを持つ、マーケティングコンサルティング会社。戦略立案から実行までお客様と膝をつけ合わせ、結果を出すまで支援、伴走するなど、大手コンサルにはできないサービスを提供。カスタマージャーニーの向上支援においては、様々な大手企業、ベンチャー企業双方よりその有効性について評価を受けている。

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Ryoji Takada

Ryoji Takada

座右の銘は質実剛健。PDCAをやり遂げプロジェクト収益化まで愚直にやるのは得意分野。あだ名は夜桜で、昔は格闘技のプロであった時の名残。バイクとファッションと格闘技が好き。

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