顧客管理の複雑さにお悩みではありませんか?名刺の山、バラバラのExcelデータ、取りこぼした商談…。こうした課題を抱える企業が今、クラウド型CRMに注目しています。インターネット環境があればどこからでもアクセスでき、営業活動の可視化や顧客情報の一元管理が実現できるクラウド型CRM。初期コストを抑えながら迅速に導入でき、様々な業種で売上アップや顧客満足度向上に貢献しています。
本記事では、クラウド型CRMの基本から選び方、成功事例まで徹底解説します。顧客管理の効率化を実現する第一歩として、ぜひ参考にしてください。
Contents
クラウド型CRM(顧客管理システム)の基本知識
CRMの定義と重要性
CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客との関係を効果的に管理・強化するためのシステムです。企業にとって顧客は最も重要な資産であり、その関係性を適切に管理することが事業成功の鍵となります。
クラウド型CRMを活用すると、顧客情報(基本情報、購買履歴、問い合わせ内容など)を一元管理できるだけでなく、その情報を分析して顧客ニーズを的確に把握することが可能になります。例えば、購買パターンを分析することで次の提案内容を最適化したり、顧客の嗜好に合わせたパーソナライズされたサービスを提供したりできます。
特に近年のデジタル化が進む環境では、顧客との接点が多様化しており、それらのデータを統合して戦略的に活用することがビジネス成長の鍵となっています。クラウド型CRMは、こうした複雑化する顧客管理の課題を解決し、顧客満足度の向上とともに企業の収益拡大に貢献します。
CRMについては以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
クラウド型CRMとは?基本的な仕組みを解説
クラウド型CRMとは、顧客情報をインターネット経由でサーバーにアクセスして一元管理するシステムです。従来のオンプレミス型CRMでは自社サーバーにパッケージをインストールして運用していましたが、クラウド型はインターネット環境があればどこからでもアクセス可能です。
テレワークの普及に伴い、場所を選ばず作業できるクラウド型CRMの需要が急増しています。多要素認証やIPアドレス制御により不正アクセスを防止し、アクセス権限の設定でデータの持ち出しも防げるため、セキュリティ面も安心です。
クラウド型CRMの大きな利点は、初期費用が抑えられることです。ハードウェアやソフトウェアの購入が不要で、利用ユーザー数やデータ量に応じて柔軟に契約プランを変更できます。また、ソフトウェアのアップデートが自動で行われるため、常に最新の機能を利用できるのも魅力です。
クラウド型CRMの主な機能

顧客情報の一元管理と360度ビュー
クラウド型CRMの最大の特長は、顧客情報を一元管理できる点です。氏名や連絡先などの基本情報から、購買履歴、問い合わせ内容、商談記録まであらゆる顧客データを集約することで、企業全体で情報を共有できます。例えば営業部門が入力した商談内容をカスタマーサポート部門がリアルタイムで確認できるため、顧客対応の質が飛躍的に向上します。
また、情報がクラウド上で管理されるため、部門を越えた協力体制が構築しやすくなります。営業担当者が外出先からでもスマートフォンで最新情報を確認でき、適切な提案や対応が可能になるのです。
さらに、蓄積されたデータは「360度ビュー」と呼ばれる総合的な視点で分析できます。顧客との全接点を把握することで、一人ひとりに最適なアプローチが可能になり、顧客満足度の向上と購買意欲の促進につながります。クラウド型CRMによる情報の一元化は、顧客理解を深め、ビジネス成長の原動力となるのです。
営業活動の可視化とデータ分析
クラウド型CRMの営業活動可視化・データ分析機能は、営業戦略を劇的に改善する強力なツールです。リアルタイムで営業パイプラインを監視でき、各案件の進捗状況や成約確率を一目で把握できます。これにより、営業マネージャーは的確な判断と迅速な意思決定が可能になります。
データ分析機能では、蓄積された営業活動のデータから有益なインサイトを抽出。例えば、成約率の高い顧客セグメントや効果的な営業アプローチを特定できるため、戦略的な営業リソース配分が実現できます。
さらに、AIを活用した予測分析により将来の売上予測も可能。「このままのペースでいくと四半期の目標に対して何%達成できるか」といった予測ができるため、早期の軌道修正につながります。クラウド型CRMによる営業活動の可視化は、感覚的な営業から、データドリブンな戦略的営業への転換を促進するのです。
マーケティング施策との連携と効果測定
クラウド型CRMとマーケティング施策を連携させることで、顧客接点の最適化と効果測定の精度向上が実現します。例えば、メールマーケティングやSNS広告との連携により、顧客の反応データをリアルタイムで収集し、マーケティング施策の効果をすぐに分析できます。
CRMに蓄積されたデータを活用することで、顧客セグメントごとに最適なアプローチが可能になり、コンバージョン率の向上につながります。部門間の役割を明確にし、マーケティングが見込み顧客を発掘・育成し、営業部門が販売するという連携体制を構築することが重要です。
また、共通のKPIを設定することで両部門の目標を統一し、効率的な業務遂行が可能になります。クラウド型CRMとMAツールを連携させれば、見込み顧客のスコアリングや行動履歴の分析により、顧客の購買意欲を数値化でき、営業リソースの最適配分が実現します。これにより、適切なタイミングでの商談創出や成約率の向上が期待できるのです。
自動化による業務効率化
クラウド型CRMには、日常業務を自動化して時間と労力を大幅に削減する機能が備わっています。例えば商談予定日が近づくと自動でリマインドメールを送信する機能は、手動で行うと時間がかかるメール作成業務から解放され、商談準備に集中できるようになります。
また、顧客からの「コールバックリクエスト」機能を活用すれば、顧客の希望時間に確実に連絡できるため、何度も電話をかけ直す無駄な時間が省け、顧客からの信頼も向上します。
定期的な取引がある顧客には定期請求書機能が便利です。毎月同じ内容の請求書作成が自動化され、宛名ミスや送付漏れといった人為的ミスも防止できます。
さらに過去に取引があった顧客への再アプローチ機能も効果的です。人は新しい環境よりも経験済みの環境や商品を好む傾向があるため、CRMデータを活用した効率的な営業活動が可能になります。こうしたルーティン業務の自動化により、営業担当者は戦略立案など「自分にしかできない仕事」に時間を投資できるのです。
クラウド型CRMの導入メリット

初期コストの低減
クラウド型CRMの導入最大のメリットの一つが、初期コストの大幅な低減です。従来のオンプレミス型では、サーバー購入やシステム構築に数百万円の投資が必要でしたが、クラウドCRMなら月額1万円台〜のプランから始められます。特に中小企業にとって、この低コストでの導入しやすさは大きな魅力です。
料金体系も柔軟で、ユーザー数に応じた従量課金制を採用しているサービスが多く、事業規模に合わせて最適なプランを選べます。例えば、スタートアップ向けの基本プランから、機能を拡張できる上位プランまで、段階的に導入できるのが特徴です。
さらに、自社サーバーのメンテナンスコストや電気代などのランニングコストも削減できます。これらの初期・運用コスト削減分を、営業活動やマーケティング施策に振り向けることで、より効果的な顧客関係構築が可能になります。
迅速な導入と運用開始
クラウド型CRMの大きな魅力は、迅速な導入と運用開始が可能な点です。インターネット環境さえあれば、複雑なインストール作業なしで即座にシステムを利用開始できます。例えば、ある製造業では導入からわずか1週間で全営業部門がクラウドCRMを活用し始め、顧客対応のスピードが30%向上しました。
特に中小企業にとっては、ITリソースが限られる中でも専門的な知識がなくても簡単に運用を始められる点が大きな利点です。管理画面は直感的に設計されており、必要な情報の入力や検索がストレスなく行えます。
さらに、多くのクラウドCRM提供企業は充実したサポート体制を整えており、導入時のデータ移行サポートやカスタマイズのアドバイスを受けられます。こうした手厚いバックアップにより、システム導入の成功率が大幅に高まり、短期間で顧客管理業務の効率化を実現できるのです。
マルチデバイス対応の利便性
クラウド型CRMが持つマルチデバイス対応の利便性は、働き方改革時代の営業活動に欠かせない特徴です。PCだけでなくスマートフォンやタブレットからもシームレスにアクセスできるため、外出先での商談後すぐに議事録を入力したり、移動中に次の訪問先の顧客情報を確認したりと、場所を選ばず業務を進められます。
特にテレワーク環境では、クラウドCRMの価値が一層高まります。在宅勤務中でも最新の顧客データにリアルタイムでアクセスでき、チーム全体での情報共有がスムーズに行えるため、対面オフィスワークと変わらない顧客対応が可能です。
さらに、カレンダーやメールなど他のビジネスアプリとの連携機能も充実しており、予定表から直接顧客データを参照したり、メール内容を自動でCRMに記録したりできます。これにより情報入力の手間が削減され、顧客対応の質と効率が飛躍的に向上するのです。
クラウド型CRMの選ぶ際のポイント
業務ニーズの適合性確認
クラウド型CRMを選ぶ際には、まず自社の業務ニーズとの適合性を徹底的に確認することが成功の鍵となります。特に営業スタイルに合ったCRMであるかどうかは、導入後の活用度に直結するポイントです。
具体的には、現状の営業フローを整理し、どのような課題を解決したいのかを明確にしましょう。例えば、顧客情報の一元管理が目的なのか、営業活動の可視化が必要なのか、あるいはマーケティング施策との連携を強化したいのかを洗い出します。
また、実際の使用感を確かめるために、契約前にデモ版や無料トライアルを活用することをお勧めします。操作性やインターフェースが自社のスタッフに合っているかを事前に確認できれば、導入後のミスマッチを防げます。
担当者からの説明を聞くだけでなく、実際に自社のデータを使ってテストすることで、より現実的な判断ができるでしょう。これにより、クラウド型CRMの真の価値を実感し、最適な選択ができます。
サポート体制の重要性
クラウド型CRMを選ぶ際、サポート体制の質は導入後の成功を左右する重要な要素です。まず確認すべきは、提供されるサポートの範囲と対応時間です。システムトラブルやデータ移行の際、迅速に対応してくれるかどうかが業務の継続性に直結します。
特に導入初期は多くの疑問が発生するため、チャットやメール、電話など多様な問い合わせ窓口があるクラウドCRMを選ぶと安心です。また、マニュアルやナレッジベースの充実度も重要なポイントとなります。
さらに担当者の対応力も見逃せません。単なる技術的サポートだけでなく、業務改善の視点からアドバイスをくれるパートナーとしての役割を果たしてくれるかを事前に確認しましょう。長期的な関係構築を視野に入れ、導入後も継続的に組織全体のCRM活用を強化してくれるサポート体制があるかどうかを評価することが重要です。
セキュリティとデータ保護
クラウド型CRMの選定では、セキュリティとデータ保護に細心の注意を払う必要があります。顧客情報を扱うシステムだからこそ、情報漏洩のリスクを最小限に抑える対策が不可欠です。導入前には、提供事業者のセキュリティ認証(ISO27001やSOC2など)取得状況を確認しましょう。
また、データ暗号化の仕組みやアクセス権限の設定方法も重要なチェックポイントです。きめ細かなロール設定ができるクラウドCRMを選ぶことで、社内での情報アクセスも適切に制御できます。
バックアップ体制についても確認が必要です。データ消失リスクへの対策として、自動バックアップ機能や復元手順が整備されているかをチェックしましょう。
信頼性の高いクラウドCRMを選ぶことで、オンプレミス型と比較しても遜色ないセキュリティレベルを確保できます。むしろ専門事業者による最新のセキュリティ対策が常に適用される点では、自社運用より安全性が高いケースも少なくありません。
CRMツールの機能や選び方については以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
クラウド型CRMツール(顧客管理システム)おすすめ10選
SKYPCE

公式サイト:https://www.skypce.net/
SKYPCEは、名刺情報のデータ化と組織全体での一元管理・共有を実現するクラウド型CRMです。直感的な操作性を持つシンプルなUIにより、名刺情報の登録・検索・閲覧が簡単に行えます。
運用環境はオンプレミスまたはクラウドから選択可能で、企業のニーズに合わせた柔軟な導入ができます。詳細検索や一括編集、組織図ツリーの自動生成など多彩な名刺管理機能を搭載しており、営業活動の効率化をサポートします。
さらに、顧客とのやり取りを名刺情報から記録・管理できる営業活動支援機能や、二要素認証やIP制限によるセキュリティ機能も充実。SKYSEA Client Viewとの連携でさらなるセキュリティ強化も可能です。顧客情報を安全かつ効率的に管理したい企業に最適なクラウドCRMといえるでしょう。
機能分類 | 主な特徴 |
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名刺管理 | 詳細検索、一括編集、顔写真登録、組織図自動生成 |
営業活動支援 | 活動記録管理、メール一斉配信、顧客企業ニュース確認 |
セキュリティ | 二要素認証、IP制限、SKYSEA Client View連携 |
運用形態 | クラウド型またはオンプレミス型から選択可能 |
Sansan

公式サイト:https://jp.sansan.com/
Sansanは、名刺管理を中心とした顧客情報の一元管理と共有を実現するクラウド型CRMです。名刺をスキャンするだけで正確にデータ化し、全社で人脈を共有できる点が大きな強みとなっています。
企業・人物データベース機能では、100万件を超える最新企業情報や国内の支店・支社情報を搭載しており、営業活動に最適な役職者情報も提供しています。さらに、メール署名取り込み機能やメール接続機能により、顧客とのコミュニケーション履歴も自動で蓄積できます。
セキュリティ面も充実しており、二要素認証やIPアドレス制限などの機能で顧客情報を安全に管理。Salesforceなど多様な外部サービスとの連携も可能で、データ活用の幅を広げられます。
機能分類 | 主な機能 |
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名刺管理 | 名刺データ化、全社共有、メール接続機能 |
企業データベース | 100万件超の企業情報、役職者情報 |
セキュリティ | 二要素認証、IPアドレス制限 |
データ連携 | Salesforce連携、Marketo連携 |
kintone

公式サイト:https://kintone.cybozu.co.jp/
サイボウズが提供するkintoneは、業務アプリをノーコードで開発できるクラウド型CRMです。顧客情報管理はもちろん、28種類のパーツを組み合わせることで多様な業務システムを簡単に構築できる柔軟性が強みです。
データベース機能とコミュニケーション機能を融合させており、顧客データの一元管理だけでなく、そのデータに対してコメントを付けられるため、営業活動の情報共有がスムーズに行えます。絞り込み一覧機能やレポート機能により、データの可視化も容易です。
さらに、アプリ同士のデータ連携や外部サービスとの連携も可能で、APIやWebhookを利用した拡張性の高さも特徴的。スマートフォンからのアクセスにも対応し、場所を選ばない業務効率化を実現します。
機能 | 特徴 |
---|---|
アプリ開発 | ノーコード開発、28種類のパーツ |
データ管理 | 一元管理、絞り込み一覧、レポート機能 |
コミュニケーション | コメント機能、スペース、スレッド |
連携・拡張性 | API対応、外部サービス連携、マルチデバイス対応 |
HubSpotCRM

公式サイト:https://www.hubspot.jp/products/crm
HubSpotCRMは、営業からマーケティング、カスタマーサービスまで幅広い業務を支援する無料から利用できるクラウド型CRMです。最大の特徴は、1,000件までのコンタクト登録が無料で可能で、ストレージ量も無制限という驚異的なコストパフォーマンスにあります。
営業担当者向けにはリード追跡やタスク管理、マーケティング担当者にはリードジェネレーションやEメールマーケティング機能、カスタマーサービス向けには共有受信トレイやチケット管理など、部門ごとのニーズに合わせた機能を提供しています。
GmailやOutlookとの連携、AIを活用したEメール生成ツールなどの先進機能も備え、中小企業から大企業まであらゆる規模のビジネスに適応します。成長に合わせて有料プランへのアップグレードも可能で、ビジネスの拡大を柔軟にサポートします。
機能分類 | 主な機能 |
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基本機能 | コンタクト管理、Eメール連携、タスク管理 |
部門別機能 | 営業・マーケティング・カスタマーサービス対応 |
無料プラン特徴 | 1,000件コンタクト登録、無制限ストレージ |
拡張機能 | AI搭載Eメール生成、パイプライン管理 |
esm(eセールスマネージャー)

公式サイト:https://www.e-sales.jp/
esm(eセールスマネージャー)は、顧客接点を効率化し企業成長を支援するクラウド型CRM/SFAシステムです。リード獲得からナーチャリング、顧客管理、営業管理、アフターサービスまで幅広い領域をカバーしており、企業規模や業界を問わず活用されています。
特筆すべきは、シングルインプット・マルチアウトプット機能で、一度の入力で様々なアウトプットに自動反映される点です。AIコンシェルジュ機能も搭載しており、営業担当者の業務効率化を強力にサポートします。
導入企業からは業務効率化、残業削減、営業力向上など高い評価を得ており、ユーザー満足度は93.8%に達しています。大和製衡やドギーマンハヤシなど、様々な業界の企業での導入実績があります。
機能分類 | 特徴 |
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基本機能 | CRM、SFA、MA、アフターサービス管理 |
特徴的機能 | シングルインプット・マルチアウトプット、AIコンシェルジュ |
サポート体制 | 専任アドバイザー、オンライン研修、活用支援Webサイト |
導入効果 | 業務効率化、営業力向上、情報共有強化(満足度93.8%) |
Sales Cloud

公式サイト:https://www.salesforce.com/jp/sales/
Salesforceが提供するSales CloudはAIを活用した営業支援プラットフォームで、Data Cloudの顧客データとEinsteinのAI機能を組み合わせて営業活動を加速します。組み込み型のSales Engagement機能で顧客関係を深め、Sales Programによって営業担当者の効率と生産性を向上させることができます。
Tableauや他のツールとの統合により売上予測の精度を高め、Revenue Intelligenceが営業サイクル全体をサポート。Revenue Cloudを通じて収益管理プロセスを連携させ、Partner Relationship Management機能によりチャネル販売やパートナー管理も容易になります。
Slackとの連携で商談成約を加速させ、QTCプロセスの効率化も実現。30日間の無料トライアルも提供されているため、実際の使用感を試すことができます。
機能分類 | 主な機能 |
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AI活用 | Einstein AI(生成型・予測型)、データ分析 |
営業支援 | Sales Engagement、Revenue Intelligence |
連携機能 | Slack連携、Tableau統合、Data Cloud活用 |
パートナー管理 | Partner Relationship Management、販売代理店支援 |
Mazrica Sales

公式サイト:https://product-senses.mazrica.com/
Mazrica Salesは、顧客・案件・行動・名刺などの情報を一元管理できるクラウド型CRM/SFAツールです。入力負荷を削減する機能と直感的な画面設計により、導入からの運用定着をスムーズに支援します。
顧客管理機能では、案件や行動履歴だけでなく、企業概要やプレスリリース、財務情報なども集約し、多角的な顧客理解を可能にします。案件管理はカード形式で直感的に進捗確認ができ、行動管理では過去の類似案件から最適なアプローチを提案します。
さらにAI機能により、受注確度予測や名寄せ候補の自動抽出、名刺のOCR機能など業務効率化を実現。充実したセキュリティ対策とモバイル対応で、場所を選ばない顧客管理が可能です。
機能分類 | 特徴 |
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顧客管理 | 企業情報・案件・履歴の一元管理 |
案件管理 | カード形式の直感的インターフェース |
AI機能 | 受注確度予測、名寄せ自動化、OCR機能 |
モバイル対応 | 外出先でのリアルタイム情報共有 |
formrun

公式サイト:https://form.run/home
formrunは、誰でも簡単にフォームを作成・管理できるクラウド型CRMです。ドラッグ&ドロップ操作で高機能なフォームが作成でき、条件分岐や決済機能、住所自動入力などの機能も実装可能です。問い合わせ管理はカンバン形式で可視化され、対応漏れを防止。顧客データの一元管理により、チームでの効率的な運用をサポートします。Slack、Salesforce、kintoneなどの外部ツールとの連携も充実しており、業務効率化に貢献します。ISO 27001認証やプライバシーマーク取得など、セキュリティ面も安心。導入企業からは「フォーム通過率が2倍になった」などの成果も報告されています。初期費用不要で無料プランから始められるため、手軽に導入できるのも魅力です。
機能分類 | 特徴 |
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フォーム作成 | ドラッグ&ドロップ操作、条件分岐、決済機能 |
顧客管理 | カンバン形式管理、メール対応効率化 |
外部連携 | Slack、Salesforce、kintone、HubSpotなど |
料金体系 | 初期費用不要、無料プラン有、14日間無料トライアル |
Synergy!

公式サイト:https://www.synergy-marketing.co.jp/cloud/synergy/
Synergy!は、顧客データベースを中核とした多彩なマーケティング機能を一つのクラウド型CRMで実現するサービスです。顧客情報を「集める」機能として、フォーム作成、アンケート、Webトラッキングを備え、「伝える」機能としてメール配信やLINE配信、Webサイトでのパーソナライズ表示を提供します。
国産ツールならではの使いやすいデータベースは自由な設計が可能で、店頭やWeb、SNSなど様々な接点からの情報を一元管理。顧客ごとのWeb閲覧履歴を分析し、興味に基づいたアプローチを実現します。また、タイミングとターゲティングを設定した自動配信機能で、効率的なマーケティング活動をサポートします。
機能分類 | 主な機能 |
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情報収集 | フォーム、アンケート、Webトラッキング |
情報発信 | メール配信、LINE配信、Webパーソナライズ |
データ管理 | 顧客データベース、外部システム連携 |
分析機能 | 閲覧履歴分析、フォーム解析レポート |
Knowledge Suite

公式サイト:https://www.bluetec.co.jp/knowledgesuite/
Knowledge Suiteは、営業支援に特化したクラウド型CRMで、GRIDY名刺CRMを核とした顧客情報管理システムです。名刺をスキャナーやスマートフォンで取り込むと数分でデジタル化され、企業の重要資産として確実に蓄積されます。
特筆すべき点は、収集した名刺情報がGRIDY SFAの顧客データベースと自動連携し、営業活動や商談情報と紐づけて一元管理できること。これにより部門を越えた情報共有が促進され、営業効率が大幅に向上します。
セキュリティ面では、WOCR技術と国内大手IDCでの運用により、高い安全性を確保。導入企業からは「クレームや案件詳細をリアルタイムで確認でき、担当者変更や引継ぎがスムーズになった」という声も寄せられています。
機能分類 | 主な特徴 |
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名刺管理 | 高精度OCR処理、数分でのデジタル化 |
情報連携 | GRIDY SFAとの自動連携、活動情報の紐づけ |
セキュリティ | WOCR技術、国内法適用のIDC運用 |
活用シーン | 営業活動、人事異動時の引継ぎ、イベント後のフォロー |
Zoho CRM

公式サイト:https://www.zoho.com/jp/crm/
Zoho CRMは、業種や規模を問わず世界25万社で利用されている高評価のクラウド型CRM/SFAツールです。「機能の網羅性」と「使いやすさ」を両立し、顧客管理から案件管理、MAまで豊富な機能を搭載。最大の特徴は自由度の高いカスタマイズ性で、まるでキャンバスに絵を描くように自社に最適なCRM環境を構築できます。
導入事例も豊富で、ブライダル業界での部門間情報共有や不動産業界での3部門の課題解決など、様々な業種で成果を上げています。月額1,680円からという低コストで大手CRMからの乗り換えで最大80%のコスト削減も可能。Zohoの45以上のビジネスアプリとの連携も魅力です。
機能分類 | 主な特徴 |
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カスタマイズ性 | デザインを含むフルカスタマイズ可能 |
コスト効果 | 月額1,680円〜、最大80%コスト削減 |
主要機能 | 顧客管理、MA、AI分析、SFA、セキュリティ対策 |
導入実績 | 世界25万社、ブライダル・不動産・IT業界など |
FlexCRM

公式サイト:https://www.flexcrm.jp/
FlexCRMは、低価格で高機能なクラウド型CRMで、顧客情報管理の課題を簡単に解決します。エクセル管理の限界や部署間連携不足を克服し、誰でも直感的に操作できる画面設計が特徴です。顧客情報だけでなく、企業固有の業務プロセスに合わせたデータベースやワークフローを柔軟に構築できるため、導入企業の80%以上が自社で設定して活用しています。
導入事例も豊富で、日本テレビ放送網では営業管理の一元化により年間1000時間の工数削減に成功。多様な外部システムとの連携やAPIも充実し、既存システムとのスムーズな統合が可能です。マルチデバイス対応で場所を選ばない業務効率化を実現し、高度なセキュリティ環境で安心して顧客情報を管理できます。
機能分類 | 特徴 |
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基本機能 | 顧客管理、営業支援、お客様サポート |
拡張機能 | マーケティング、業務管理、ワークフロー |
カスタマイズ | 独自データベース構築、自社での設定可能 |
導入事例 | 日本テレビ(年間1000時間工数削減)、日本ハウズイング |
カスタマーリングス

公式サイト:https://www.customer-rings.com/
カスタマーリングスは、顧客理解を深めるための機能が充実したクラウド型CRMです。主に「データ統合(CDP)」「アクション(MA)」「顧客理解(BI)」の3つの機能で構成されています。データ統合機能では、基幹システムやカートシステム、実店舗など様々なデータソースから顧客情報を一元化。高度なプログラミングスキルなしでデータ加工ができ、セグメントや顧客ジャーニーマップの作成に活用できます。
アクション機能はメール、LINE、WEB接客など多様な配信チャネルを一元管理し、自動化により業務効率を大幅に向上させます。顧客理解機能では、集約データから顧客行動を分析し、より寄り添った施策立案が可能になります。
機能分類 | 主な機能 |
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データ統合(CDP) | 多様なデータソース連携、データ加工、セグメント作成 |
アクション(MA) | メール・LINE・WEB接客などの配信管理、自動化機能 |
顧客理解(BI) | 顧客分析、行動理解、テキストマイニング、ダッシュボード |
ホットプロファイル

公式サイト:https://www.hammock.jp/hpr/
ホットプロファイルは、名刺管理を起点に営業プロセス全体のデジタル化をワンストップで実現するクラウド型CRMです。名刺をスキャンするだけで顧客データベースを自動作成し、人脈の可視化や企業属性情報の自動付与も行います。
顧客カルテ機能では関連情報を1画面に集約し、売上可視化機能では様々な角度から営業実績を分析できます。外出先からでも簡単に営業報告が完了する効率化機能や、顧客の興味関心を可視化するHOT通知機能も搭載。
さらに一斉メール配信やWeb行動把握、セミナー管理などマーケティング機能も充実。東京電機産業やマクアケなどの導入事例では、営業情報の見える化や効率的な顧客管理に成功しています。
機能分類 | 主な機能 |
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顧客管理 | 名刺管理、人脈可視化、顧客カルテ |
営業支援 | 売上可視化、案件管理、営業報告効率化 |
マーケティング | HOT通知、メール配信、Web行動把握、セミナー管理 |
導入事例 | 東京電機産業、レジェンダ・コーポレーション、マクアケ |
coorum

公式サイト:https://coorum.jp/
coorumは、コミュニティ運営からロイヤル顧客のデータ分析までをワンストップで提供するクラウド型CRMです。顧客中心の経営への転換を支援し、顧客をただの商品消費者から「企業パートナー」へと進化させます。
パーソナライズされたデータ分析とインタラクティブなコミュニティポータルにより、ロイヤル顧客の育成・分析が可能に。市場競争が製品から顧客体験へシフトする中、最適なターゲットへ最適なタイミングでコミュニケーションを実現します。
花王の「My Kaoメンバーサロン」やカインズのDIYコミュニティなど、100社以上の導入実績を持ち、経験豊富なコンサルタントによる継続的なサポートも魅力です。
機能分類 | 特徴 |
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コミュニティ管理 | 簡単構築のポータルサイト、顧客接点強化 |
データ分析 | 顧客×行動データの取得・分析、パーソナライズ |
導入事例 | 花王、カインズ、大創産業、江崎グリコ等100社以上 |
サポート | 専門コンサルタントによる継続支援 |
無料CRMツールについては以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
クラウド型CRMの導入時の注意点
既存システムとの統合方法
クラウド型CRMを導入する際、既存システムとの統合は非常に重要なポイントです。まず確認すべきは、導入予定のCRMクラウドと現行システムとの互換性です。APIの対応状況やデータ形式の互換性を事前に調査することで、スムーズなデータ連携が可能になります。
特に注目したいのが、近年普及しているノーコードツールの活用です。これにより、プログラミングスキルがなくても、ドラッグ&ドロップの操作で簡単にシステム間の連携が実現できます。ITに詳しくないスタッフでも統合作業に参加できるため、導入がスムーズに進みます。
また、CRMクラウドは単なる顧客管理ツールではなく、ビジネスの中心となるプラットフォームとして機能させることが重要です。マーケティングツールや会計システムなど、様々なシステムと連携させることで、データの一元管理が実現し、業務全体の効率化につながります。
ユーザー教育の必要性
クラウド型CRMを効果的に活用するには、適切なユーザー教育が不可欠です。システムの導入だけでは十分な効果を得られません。まず重要なのは、全ユーザーがCRMクラウドの目的と期待される成果を明確に理解することです。単なるデータ入力ツールではなく、顧客関係強化のための戦略的ツールであることを認識させましょう。
特にIT操作に不安を感じるメンバーのために、初心者向けのハンズオンセミナーを定期的に開催することも効果的です。実際の業務データを使った操作体験を通じて、具体的なノウハウを習得できるため理解が深まります。
また、部門ごとの活用シーンに合わせたカスタマイズ研修も有効です。営業担当者、マーケティング担当者、カスタマーサポート担当者など、それぞれの業務フローに沿った活用方法を伝えることで、全社的な浸透が進みます。教育投資は短期的には負担に感じるかもしれませんが、CRMクラウドの本来の価値を引き出すために欠かせない要素です。
クラウド型CRMの導入ステップ
導入前の準備と社内体制づくり
クラウド型CRMの導入を成功させるには、事前の準備と適切な社内体制の構築が不可欠です。まず、明確な導入目的を定めることが最重要ステップとなります。目的が曖昧なままでは、必要な機能が不足したり、逆に不要な機能に投資してしまう可能性があります。
次に、CRMで管理する情報を事前に洗い出し、業界特性に合わせたカスタマイズを検討しましょう。例えば、アパレル業界なら店舗別売上管理、化粧品業界なら顧客の肌トラブル管理といった項目設定が効果的です。併せて、データの格納ルールも現場の意見を取り入れながら決定することが重要です。
また、運用担当者を明確に決めておくことも欠かせません。責任者が曖昧だと、施策の決定や知見の集約が滞り、部署間の調整も難しくなります。さらに、従業員がスムーズにツールを使いこなせるよう、社内勉強会の開催や問い合わせ窓口の設置など、サポート体制を整えておきましょう。
導入前には現場の声をしっかりとヒアリングし、CRMの利用メリットを全社で共有することで、運用の定着化を図ることができます。
データ移行と初期設定のポイント
クラウド型CRMを導入する際のデータ移行と初期設定は、成功のカギを握る重要なステップです。既存システムからのデータ移行では、顧客の業務オペレーションを細かくヒアリングし、全体最適な移行計画を立てることが肝心です。
多くの企業がExcelやレガシーシステムからの移行を専門業者に依頼していますが、その際は徹底的なデータクレンジングを行い、不要なデータを整理することが重要です。
初期設定においては、企業の業務フローに合わせたカスタマイズが必須です。丁寧な要件定義を行い、必要な項目から将来構想まで考慮した設計を心がけましょう。
特にクラウド型CRMの場合、フォームの自動返信やアラート機能などの細かな設定が業務効率化に直結します。日本語サポートが充実したサービスを選ぶことで、導入後の運用でも安心して相談できる環境を整えることができるでしょう。
社内浸透のためのトレーニング
クラウド型CRMを社内に浸透させるには、適切なトレーニングが不可欠です。ICT導入が進まない主な理由の一つは、十分な教育不足にあります。これを解決するためには、まず勤務時間内にCRM操作の教育時間を確保しましょう。
効果的なトレーニングでは、ベンダーの協力を得ながら、わかりやすいマニュアルを整備することが重要です。また、実際の業務データを使った実践的な研修が定着率を高めます。
長期的な視点では、ベンダー依存から脱却し、社内で自走できるノウハウの蓄積も必要です。初期段階ではベンダーに頼る部分があっても、徐々に社内対応できる領域を増やしていくことで、クラウドCRMの真価を発揮できます。
段階的なアプローチと継続的なフォローアップを組み合わせることで、社員のスキルアップと抵抗感の軽減を同時に実現し、クラウド型CRMの効果的な活用につなげられるのです。
運用定着化と継続的な改善プロセス
クラウド型CRMの効果を最大化するには、運用の定着化と継続的な改善が不可欠です。まずは、操作マニュアルの整備や定期的な研修会の開催を通じて、システムの社内浸透を図りましょう。
導入初期は教育コストがかかりますが、誰でも使いやすいインターフェースを持つCRMを選べば、その負担を軽減できます。また、実際に使用している従業員からのフィードバックを定期的に収集し、PDCAサイクルを回すことが重要です。
「この機能が使いづらい」「この項目が足りない」といった現場の声を活かして継続的に改善していくことで、徐々にシステムの最適化が進みます。
なお、クラウド型CRMは導入してすぐに効果が出るものではありません。顧客データの蓄積、分析、マーケティング施策への活用、効果検証というプロセスには時間がかかるため、中長期的な視点で運用を続けることが成功への鍵となります。
クラウド型CRM導入の成功事例
製造業A社:営業プロセスの効率化で売上20%アップ
サービス業B社:顧客満足度向上とリピート率改善
小売業C社:顧客データ分析でターゲティング精度向上
CRMを活用した施策については以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
クラウド型CRMで業務を効率化しよう
本記事では、2025年に向けたクラウド型CRMの選び方と導入のポイントを徹底解説しました。クラウド型CRMは、顧客情報の一元管理や分析機能の充実、外部ツールとの連携などによって、顧客関係管理を効率化するツールです。初期コストの低減やマルチデバイス対応など、導入メリットは多岐にわたります。
選ぶ際には業務ニーズとの適合性、サポート体制、そしてセキュリティ対策を重視しましょう。紹介した10のツールはそれぞれ特徴があり、自社の目的に合わせて選ぶことが重要です。また、導入時には既存システムとの統合方法やユーザー教育にも注意が必要です。様々な業種の成功事例からわかるように、クラウド型CRMの適切な活用は、顧客満足度向上や売上アップなど、具体的な成果につながります。自社に最適なCRMを選び、効果的に運用していきましょう。
なお、弊社ではマーケティングチームの立ち上げや事業の企画・推進に多数関わってまいりました。その中で、MA・SFA・CRMの導入支援においても、設計から実務の運用まで一貫して対応し、導入時に生じるさまざまな課題への対応・構築支援を行っております。導入に関するご相談がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。