DXコンサルとは? その業務、メリット、費用、選び方をわかりやすく解説

DXの取り組みの重要性は理解できても、何から着手すべきかわからない、自社にDX推進人材がいなくてどうしたらよいか困っている、という企業にとって、推進を支援してくれるDXコンサル会社は手っ取り早くDXに着手するための一手段である。ここでは、DXコンサルの業務内容から、メリット・デメリット、費用、そして自社にあったコンサルの選び方までを説明する。

DXコンサルは、デジタルでビジネス課題解決を支援するプロフェッショナル

戦略策定から課題解決までリード・伴走してくれるプロフェッショナルがDXコンサル

DXコンサルは、ビジネステクノロジーの知見と組織改革にかかわるプロジェクトマネジメント力を駆使して、既存の組織やビジネスプロセスをリデザインする活動をリード・伴走するプロフェッショナルである。具体的には、DX戦略の立案から、活用するデジタルテクノロジーの選定・提案〜導入遂行支援〜運用と、DXプロジェクトの上流から下流まで一気通貫で伴走してくれる。

コロナ禍により企業のデジタル化ニーズが飛躍的に高まったこともあり、昨今ではDXコンサルが乱立し、戦略コンサルからITシステムプロバイダー、PR企業など多くの会社が「DXコンサルサービス」を謳っている。しかし、実際にDXに特化したコンサルは日本ではほとんどいないのが実態だ。

DXコンサルの主な業務内容〜課題把握から戦略立案、実行まで支援〜

DXコンサルの業務内容はコンサル会社によっても様々であるが、主なものを列記してみた。

  1. 課題の明確化
  2. 調査・検証
  3. 戦略・施策立案
  4. DX推進プロジェクトマネジメント(PM)
  5. 導入テクノロジーの選定・提案・導入
  6. 推進人材の育成
  7. 導入後のPDCA

DXコンサルは、戦略・施策立案から、導入テクノロジーの選定・提案、実際のプロジェクトマネジメント、その後のPDCA設定と社内で引き継ぐ人材の育成までリード、伴走してくれる。既に自社課題が明確な企業もあれば、何から着手してよいかわからない企業まで多種多様であるため、コンサルは自社ニーズに合わせて活用すれば良い。

DXコンサルにかかる費用

DXコンサルにかかる費用はその適用範囲により大きく異なる。詳しくは以下の記事を参照して欲しい。

DXコンサルに意味はある? コンサルを活用するメリット・デメリット

DXコンサルを導入するメリットは多い。以下に、主だったものをリストアップしてみたが、最大のメリットは自社にない知見と、人材がいなくてもスピーディにDXを導入できる点にある。

  1. 自社に適切な人材がいなくてもDX推進が可能
  2. 最新のデジタル技術、ツールに関する知見、DX導入経験・プロジェクトマネジメントのノウハウを今すぐ社内で活用できる
  3. 何から着手して良いか分からない企業には、着想からアドバイスを受けられる
  4. 社内政治・利害関係に囚われない第三者的立場で発言、プロジェクト推進が可能
  5. プロジェクトチームに自社人材を投入し、プロジェクトを通じてDX人材として育成できる  

一方で、DXコンサル活用のデメリットについても、想定されるものを挙げてみよう。

  1. 必要以上に費用がかかる
  2. 費用対効果が不明確
  3. プロジェクト終了後、社内にPDCAを回せる人材がおらず、継続できなかった
  4. コンサルを使い、プロジェクトは行ったが結果が出なかった、あるいは結果が出たかどうかがわからないまま終わった…など

コンサル導入費用とその費用対効果については、どの企業も不安に感じる点であろう。大事なポイントは、自社課題の解決にあったコンサルを選べたか、という点だ。せっかくの投資を無駄にしないためには、コンサル選びが重要なのである。自社にあったコンサルの選び方については、次章で説明する。

自社にあったDXコンサルの選び方 〜DXの投資を無意味にしないために〜

DX推進で陥りやすい失敗とは

DXを実践した多くの企業がおかした失敗には、共通点がある。そのうち代表的な3つを紹介する。

1.経営者のリーダーシップ・コミットメント不足によって、コンサルティングに任せ切りでDXを推進し、小手先のDXに止まってしまうケース

DXを導入する上で、最も重要なのは経営者のリーダーシップとコミットメントである。何のためにDXプロジェクトを推進するのか、課題、目的が明確でないままにプロジェクトを走らせても成果はあがらない。優秀なコンサルを入れても、コンサルのアドバイスが自社の課題解決に沿ったものであるか、何をどこまで実行するかどうかの意思決定は経営者が行う必要がある。

2.社内に知見が残らず終わってしまい、コンサルにずるずると、都度都度アドバイスを依頼し続けなければ動けないケース

コンサルを導入してDXプロジェクトを推進したが、プロジェクト実行後、自社で取り組みを継続できず、その後もずるずるとコンサルティングにアドバイスを依頼し続ける、というパターン。外部人材を入れる際には、プロジェクト推進チームにおいて社内人材の育成も同時並行で行ない、プロジェクト遂行後に自社でPDCAを引き継ぎ、回していける体制を作っておく必要がある。

3.社内でDXの目的意識の共有がされておらず、部署ごとにバラつきが出るケース

DX推進のゴールについて、社員の同意を得られておらず、形だけで終わってしまうことは非常に多い。携わる人間がDXの目的・必要性について腹落ちしていない、あるいは目的は理解していても、具体的な内容については理解が統一されていないと、同床異夢のまま、部署ごとにバラバラかつ中途半端な対応をして終わってしまいがちだからだ。また、社長はやる気であっても、その下の各ライン長、社員を含む社内全体で同じ目的の下に動かないと組織変革には至らない。トップが継続して企業変革の必要性を語り続け、ライン長とのすり合わせを定期的に行ない、全社レベルで取り組む体制を作る必要があるのである。

DX推進ロードマップ

DX推進と言っても、その内容は企業によって千差万別である。ここでは、どんな企業においても必ず押さえておくべき推進プロセス、ロードマップについて説明したい。

1.自社のビジネス環境と課題を明確化する

自社のビジネス環境の現状と将来像を踏まえて、顧客に付加価値を与えるビジネスが何か、それをどんな形で提供していくかを、顧客ドリブンな視点で定義する。

2.DX推進プロジェクトチームの組成/PM(プロジェクト・マネジャー)の指名

社長あるいは推進担当役員の下に、DX推進プロジェクトチームを組織する。その際、社長直轄とすること、またデジタル技術に精通し、なおかつ組織変革経験を有するプロジェクトマネジャーを指名する。社内にふさわしい人材がいない場合は、コンサルの活用も検討する。

3.中長期ゴールの設定、戦略策定

ビジネス環境と課題を踏まえ、デジタル技術を前提にどう課題を解決するか、中長期のゴール・戦略を策定する。

4.経営者のトップダウンによる社内の意識改革・推進

DXの目的、やるべき課題について社員が腹落ちしていない状態で組織変革が成功することはない。DX推進の目的と課題、ゴールを経営陣、管理職、一般社員まで周知し、意思統一をはかることが成功には不可欠である。組織の壁を作らせないために、各ビジネスラインの長には最重要課題としてコミットさせることが重要。DX推進という大きなゴールは共有していても、各ライン長がイメージする具体的なゴールがずれていた、ということはよくあるため、経営トップがしっかりグリップしていく必要がある。

DXコンサルティング業界 〜大手企業から特化型まで〜

DXコンサルティング企業にもいろいろあるが、DXに特化した会社は少なく、サービスのひとつとして対応している企業が多いのが実態。ここでは大まかなカテゴリに分けてDXコンサルティング会社とその特徴を説明する。

戦略・マネジメント系コンサル

  • 主な会社:マッキンゼー、ボストン・コンサルティング、ローランド・ベルガーなど
  • 特徴:システム部隊を社内に抱えず、経営トップの経営課題解決支援に特化。DXにはデジタル専門チームを設けて対応

総合系コンサル

  • 主な会社:アクセンチュア、デロイト トーマツ、IBM、アビームコンサルティングなど
  • 特徴:事業戦略・IT戦略立案からシステム導入・遂行と上流から下流まで対応。数百〜数千人規模のコンサルタントを擁し、業種、分野ごとの専門チームを持つ。大人数のコンサルタント投入が求められるシステム開発、アウトソーシングなど大規模プロジェクトに強み

IT・ビジネス系コンサル

  • 主な会社:豆蔵、ケンブリッジテクノロジーズ、フューチャーレイズなど
  • 特徴:大手企業、コンサルからスピンアウトしたコンサル。DXに求められるシステム開発と企業変革の双方に強いというよりは、セキュリティ、業務システムなど、特定分野に特化したサービスを提供する会社が多い。

Sler/パッケージベンダー

  • 主な会社:富士通、Salesforce、マイクロソフト、オラクル、NTTデータ、電通国際情報サービスなど
  • 特徴:もともとソフトウェア、ハードウェアメーカー、ベンダー企業、システムインテグレーターで、自社製品のシェア拡大だけでなくビジネスパートナーとしての価値向上を図るべくコンサルティングサービスを提供。ITシステム戦略案件に強い。

ベンチャー系DX、PM特化型コンサル

  • 主な会社:Experience Creativeなど
  • 特徴:小規模精鋭型でデジタルに強い人材からなるベンチャー系コンサル。DX人材を社内に持たないクライアント企業に、外部のプロのPMとして参画し、戦略立案からその遂行までを支援。システム開発を伴わないDX導入プロジェクトに最適。

まとめ

ここまでDXコンサルの役割、陥りがちな失敗などを簡単に説明した。DXの知見や経験を持つ企業は少ない。だからこそコンサルを上手く活用し自社のDX推進を進めていただきたい。

DXコンサルをお探しならExperience Creativeにお任せください

Experience Creativeについて

DXを通じた顧客体験の向上に強みを持つコンサルティング会社。クライアント企業のDXにかかる戦略策定から体制構築、実行まで、一気通貫でご支援します。スピード感が求められるベンチャーから組織の壁が厚い大手日系企業まで、数多くの案件を手掛けてきました。お客様と膝をつけ合わせ、結果を出すまで取り組むなど大手コンサルにはできないサービスを提供しております。

「“CMO&PMO”マーケティングソリューション」について

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マーケティング領域において、上流から下流まで一気通貫して体制構築するソリューションです。人材をアサインするだけでなく、目的/現状課題などを加味し、体制の構築から実働に至るまでの最適化される組織体制を提供いたします。

「“アラカルト”マーケティングソリューション」について

マーケティング領域において上流から下流まで、課題に合わせ必要なソリューションのみの提供をいたします。上流だけ・中流だけ・下流だけなど「アラカルト」を選ぶように弊社にご依頼が可能になっています。DXの戦略策定だけ、DXに伴う組織体制の構築だけ、といったご依頼も可能です。

「“セミナー&ワークショップ”ソリューション」について

自社社員をDX人材に育成したい方は以下のサービスも是非ご検討ください。 現場指揮を体感した人しか知り得ない数値結果やDXに伴う体制の作り方など、各施策の要点となるナレッジをワークショップ形式で実体験していただきます。

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マーケティングチームを組成 – 戦略から実行支援まで

上流から下流まで一気通貫介在し、施策最適化。

とにかく早く、最大の成果と、成果物を残すためのプランです。

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Ryoji Takada

Ryoji Takada

座右の銘は質実剛健。PDCAをやり遂げプロジェクト収益化まで愚直にやるのは得意分野。あだ名は夜桜で、昔は格闘技のプロであった時の名残。バイクとファッションと格闘技が好き。

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