ビジネスにおける報連相の些細なコツ – 返報性の原理を用いた事前気遣い、So What?の必須提示

弊社マーケティングの部長代行やCMO代行業をやるにあたり、ステークホルダーマネジメントをすることが多いです。施策単体でもそうですし、SNS運用、SFAやMAなどを設計するにあたり複数のステークホルダーの介入回避が不可避です。

その際にメッセージのコツを新卒やインターンに教えることが多いです。今回は特に新人レイヤー、学歴高めに起きがちな事象です。

お話としては社内でもクライアント相手でも 1)気遣いの欠如 2)報告を伝えるだけで要求の具体が抜けている というパターンが多いです。結論、こちらができている方が色々と後が円滑で楽なのですが、無意識にできている人、多分認識自体がないからできてない人2通り別れそうな印象がありました。

どう解決すればいいのか、本当に些細なTIPsをブログに残します。

発生事象

今回、以下のような事象がありました。

  • 気遣いなしで「できました」と「内容報告」のみ
  • できたので、いつまでに、何を、どうしてほしいのか?の未提示(ただの報告ならOKですが)

今回はMUSTは担保しているが、Wontを満たしていない例でした。もう少し向上できる例です。社内でもクライアントでも「だから何?」となるんですね。いわゆる「Why So / So What?」です。(参考:ロジカルシンキングの基礎手法(MECE, So What? / Why So?))

また無意識にクライアントにイラッとされることが多く、経験則、経験浅い1〜2年のレイヤーは気づかず送ってることが多い印象があります。これらは悪手であり、好手が存在するのですね。

非推奨な理由

相手は人であり、接し方で相手の態度が変わるんですね。結論できてた方が後が圧倒的に楽なのです。その理由をお伝えします。

①返報性の原理で悪い方に転ぶ

こちらは主に気遣いに影響します。イラッとした人にはイラッと仕返し、好意的な人には好意で返す、気遣いする人には気遣いする循環が発生します。これを返報性の原理と言います。好意・悪意・敵意・譲歩・自己開示色々なパターンが適用できます。
参考:返報性の原理とは?4つのパターンとマーケティングで活用する際の注意ポイントを解説

気遣いないとイラッとされる循環が発生し、かつフロント業務や折衝業務の経験が薄いメンバーは無意識にやりがちです。

脳には認知バイアスというものがありまして、人間は好意的なものを率先して脳で受け取り、キライなものは無意識で受け取らないで記憶の奥に追いやる習性があるそうです。

なので、自分からの働きかけや気遣いを欠如した当の本人、得をすることは基本的にないのです。

②人的レベルを見抜かれる

エンドクライアントに対してやるとどうなるか? というところなのですが、癖からステークホルダーマネジメント経験の有無がなく、作業者レイヤーと見抜かれる、もしくは所詮そのレベルか、となるんですね。これが1番影響大きいかもしれません。

クライアントが口で言わないまでも解約の一つの原因になります。色々な人がいますので、結局、仕切る経験を重ねれてばいつか気遣いせざるを得なくなります。
(余談ですが社内連携で欠如があると純粋に辛いです。ギスギスして全体のパフォーマンスが大幅に下がる経験があります)

③So What? がわからない

これは前述の件ですね。気遣いとはまた別で実進行の部分です。「誰が、いつまでに、何を、どうしてほしいのか?」の言語化が抜けていることが稀にあります。

純粋に相手からすると何してほしいかわからないですし、レイヤーが上になればなるほど優先度が高いタスクは違ってきますので、後追いになります。相手のタスク量などを察知した気遣いの上、こちらができていればなおベターです。

超簡単なOK例

じゃあどうすればいいか?というと以下のようなパターンですね。本当に簡単な、3構成です。3文でいいと思います。

1)まず、気遣い(一言でOK)
 ・**ありがとうございました
 ・**でお忙しい中恐縮ですが

2)本題・報告などなるべく端的に

3)要求(8W3Hの必要な要素コントロール)
・タスクの合間、**までに確認いただくことは可能でしょうか?
・確認し気になる部分があれば、ご一報いただけますでしょうか?

非常に簡単なのですが、これが意外にもできないことが多いのです。個人的には気遣いと要求を挟むハンバーガーみたいなイメージで捉えています。

相手が人である思考の欠如を忘れずに

冒頭に書いたのですが、この辺り見てる限り、意外や意外にも、若手で高学歴上がりの方がエラーすることが多いです。相手は人だと忘れているイメージ、Meta認知や推察ができてないのですね。学歴はあるがドライな思考をするといいますか。

上を欠如した極端なパターンとしては、要件や報告だけはあげるも、クリエイター複数からキレられ、クライアントから詰められ、残念ながらマネジメントされる立場からも詰められます。結果、四面楚歌に簡単になります。

ディレクション・コンサルティングはドライな世界です。プライドが傷つくのか、こうなると一気に当の本人もパフォーマンスが下がり、だいたいそのまま潰れます。私も経験あるのですが、陥ると非常に辛いです。こうやって周りがいなくなり、対応できる人だけ残ってきました。

なので、実はあまりフロントマンの適役は学歴があまり関係なかったりします。大きな仕事は一人で進められませんので、事前にできておくことが推奨です。

かつ業務の生合成や成果物の質も問われるので、左脳・右脳思考が両方フロントマンやディレクター役務の方は必要です。顧客折衝経験や複数人間を指揮する立場になってまだ日が浅い方のTipsとなれば幸いです。

尚弊社は、クライアントの新卒育成も案件で介在することが多いのでもしニーズある方はお気軽にお問い合わせください。

マーケティングにおけるCMOや部長機能を代行

全体整理しチャネルを見定め、CACを最適化。各種施策の立案からチーム組成、ハンズオン実行支援もしくはリスキリングまで。どこまででも貴社に寄り添い並走します。

RENTAL CMO SOLUTION
Ryoji Takada

Ryoji Takada

座右の銘は質実剛健。PDCAをやり遂げプロジェクト収益化まで愚直にやるのは得意分野。あだ名は夜桜で、昔は格闘技のプロであった時の名残。バイクとファッションと格闘技が好き。

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